6章10 P5クライアント

データを特定のコンピュータからバックアップ、シンクロナイズ、アーカイブする場合には、コンピュータがP5クライアントとして設定されていなければいけません。P5サーバーは自動的にインストール中にクライアントも兼ねるように設定され、localhost(ローカルホスト)という名称のクライアントとなります。各クライアントマシンは個別にバックアップインデックスを保持しており、保存したファイルやフォルダーを維持しています。

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すべてのクライアントマシンにはP5がインストールされている必要があります。但し、設定・メンテナンスはサーバー機に対してのみ行うことになります。

6.10.1 クライアント作成

  1. P5にウェブブラウザを使って管理者としてログインします。
    ※詳しくは4章1「ウェブブラウザの起動」を参照ください。
  2. トップメニューからバックアップ、シンクロナイズ、アーカイブのアイコンから、クライアントの設定を行うモジュールを1つ選択します。
  3. 画面左のサイドメニューから「クライアント」を選択します。
  4. 画面下の「新規」をクリックします。
  5. フィールドを完成します。

p5clientcreate

名前:

希望のクライアント名を入力します。下記の内容に従って名前を入力してください:

  1. クライアントの区別がつくように、重複しない一意のクライアント名を使用します。
  2. 名前は32文字以内の名前を入力してください。

説明:

任意の文字列でクライアントの説明を入力することができます。

ステータス:

ステータスはクライアントの動作状態を示します。

» 有効 … クライアントはシステムで利用できます。

» 無効 … クライアントはシステムで利用できません。

ライセンスされたコンピュータ:

サーバーOSは「サーバー」を利用し、その他の場合は「ワークステーション」を利用してください。P5はワークステーションライセンスをサーバーへ導入する事を許可しません。サーバーライセンスをワークステーションに使用する事は可能です。

» サーバー … ファイル、メール、ウェブ、データベースサーバーなど、他のマシンにアプリケーションを提供する全てのマシンは「サーバー」を利用してください。

» ワークステーション … ワークステーションで利用されているマシンは「ワークステーション」を利用してください。

TCPアドレス(IPアドレス):

クライアントのホスト名、または TCP/IPアドレスを持ちます。

ポート:

P5をインストールする際、ポート番号は自動的に割り当てられます。ポート番号8000がデフォルトです。

ユーザ名:

保存するデータに十分な権限を有するユーザー名です。通常はrootを使用します。

パスワード:

ログインのパスワードです。パスワードには「:」を利用する事ができません。

圧縮データ転送:

接続状況によってこの機能を利用すべきか変わります。WANなどのネットワークによる、P5クライアントとサーバーの通信の場合、データを圧縮すると良いでしょう。しかし、高速なネットワークを利用している場合、クライアントとサーバーの両方で処理能力を向上させようとな追加作業(もう既に速いため)を行うため、この設定を利用する必要はありません。

» はい:データは圧縮されてから転送されます。

» いいえ:データは圧縮されずに転送されます。

暗号化データ転送:

データを暗号化して転送する場合、この欄を利用します。この欄での設定はストレージにhば影響しません。

» はい:データは暗号化されてから転送されます。

» いいえ:データは暗号化されずに転送されます。

ネットワーク帯域使用量:

帯域使用量の制限をする事ができます。帯域を他の目的のために保持するために、またはトランスミッションエラーが生じる場合、このオプションを利用してください。

 

☆追加オプション

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Windows VSS セットアップ

各WindowsクライアントローカルNTFSファイルシステムでVSSを作成するかどうかを指定できます。各対象のドライブレターにて、未使用ドライブレターを指定します。P5はそのドライブのVSSを作成し、指定されたドライブレターでアクセスします。

VSSはファイルシステムのスナップショットであり、バックアップやシンクロナイズ開始時に作成されます。この方法により、ファイルの変更/使用してる時でも、ファイルのコピーを常に保存しておく事ができます。

Windowsワークステーション(XP,Vista,7)はVSSを同時に一つまでしか作成できません。

 

6.10.2 クライアント:操作機能

画面下のメニューから複数の便利な操作を利用する事ができます:

6.10.2.1 クライアントへPingテストを実行(Ping)

P5クライアントの状況を確認するため、pingテストを行う事ができます。

画面下のギアメニュー(歯車のアイコン)から「クライアントへPingテストを実行」を選択する事でpingテストを開始します。結果はpingウィンドウの下に表示されます。この機能で、クライアントのバージョンがサーバーに対応しているかを確認する事ができます。

p5clientping

 

6.10.3 クライアントのデータ暗号化

多くの場合、P5はセットアップ必要無く、P5サーバーによって操作するされます。ストレージでデータの暗号化を要求する場合、安全のためセットアップはクライアントで行われます。

クライアントに直接アクセスする方法:

1. P5にウェブブラウザを使って管理者としてログインします。
※詳しくは4章1「ウェブブラウザの起動」を参照ください。

2. トップメニューから画面右端の「P5」を選択し、「エージェント設定」を選択します。

p5clientencryption

3. 画面左の「クライアント」を選択し、「localhost」をダブルクリックし、クライアントのデータ暗号化を確認/操作する事ができます。

P5サーバーのデータの暗号化を設定するには、「localhost」を使用します。

これは唯一クライアントで行われる設定です。クライアントのライセンスと設定はP5サーバーで行われます。

 

6.10.4 クライアントのリバース接続を設定する

BackupやSynchronizeなどでクライアントにアクセスする場合、P5サーバーがクライアントホストとのTCP/IP接続を作成することで接続が開始されます。この手順では、サーバーがクライアントのIPアドレスを知っているか、ネームサーバーからそれを取得する必要があります。

例えば、クライアントがインターネット経由でアクセスし、一時的なIPアドレスしか持っていない場合など、これが不可能な場合もあります。

その場合は、「リバース接続」を設定する必要があります...

サーバー側ではTCP/IPアドレスの代わりにクライアントのホストIDを指定します。

クライアント側では…

  1. WebブラウザでP5にアドミンユーザーでログインします。ログインはP5サーバーと同じです
  2. クライアントのインターフェイスで、上部P5メニューにあるエージェント設定を選択します

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リバース接続を許可:

はい:この接続を使用してサーバーへ接続します
いいえ:この接続は使用されません。これはBackup2Goワークステーションで使用します

DNS名、TCP/IPアドレス:

サーバーのホスト名或いはTCP/IPアドレスを保持します

HTTPポート:

P5をインストールする際、ポート番号は自動的に割り当てられます。ポート番号8000がデフォルトです。

ユーザー名:

サーバーにログインするのに十分な権限を持つユーザーのログイン名です。

パスワード:

ログインのパスワードです。パスワードには「:」を利用する事ができません。

バックアップサーバーへ登録:

すべての値を入力した後、P5サーバーに一度だけ登録し、今回はリバースコネクションを使用することをサーバーに知らせます。

 

この設定完了後、クライアントは初期化されP5への接続を維持します。サーバーはこのコネクションを利用してクライアントへ接続します。