3章6 P5のSolaris および Linuxへのインストール

本章での解説事項 :

  • インストール要件
  • P5 CDのマウント方法
  • インストールディレクトリの作成
  • インストールファイルのコピー
  • プログラムディレクトリ構造の展開
  • インストールスクリプトの開始

以前のバージョンのPresSTOREからP5にアップグレードする場合は、3.7「P5へのアップグレード」を参照ください。

3章6.1 インストール要件

Archiware P5のインストーラはCD-ROMまたはオンラインでのダウンロードで提供されています。インストールファイルは'awpstxyz.taz'または.tgzパッケージ名で配布されています。(xyzの部分にはバージョンが入ります)ダウンロードしてインストーラパッケージを入手している場合は、インストールディレクトリの作成に進んでください。
P5のインストールには「root」ユーザー権限が必要です。


3章6.2 P5 インストーラCDのマウント

ほとんどの場合、SolarisおよびLinuxでCDは自動的にマウントされ、直接アクセスができます。マウントされない場合は下記のコマンドでCDをマウントします。

Linuxの場合:

Linux # mount /dev/cdrom

Solarisの場合:

Solaris # mount -r -F hsfs /dev/dsk/c0t6d0s2 /cdrom

3章6.3 インストールディレクトリの作成

P5をインストールするディスクを作成する際には、本章の別セクションの解説を参考に必要なディスク容量を考慮してください。(例 : ) RAID 1でミラーリングされている5ギガバイトの空き容量パーティション 「/usr/local」が存在し、他の動作諸要件を満たしている場合のコマンド例 :

# cd /usr/local
# mkdir aw

3章6.4 インストールファイルのコピー

P5ホームディレクトリが作成されたら、インストールファイルをCDまたはダウンロード済みのインストーラからホームディレクトリへコピーします。「xyz」の文字列はインストールするバージョンに置き換えて実行してください。

# cp /cdrom/cdrom0/server/awpstxyz.tgz /usr/local/aw

ソースディレクトリはCDのマウントポイントに応じて書き換えてください。

3章6.5 プログラムディレクトリ構造の展開

インストールを実施する前に、まずインストールファイルを展開します。P5ホームディレクトリに移動します。

# cd /usr/local/aw

次のコマンドでインストールファイルを展開します。「xyz」の文字列はインストールするバージョンに置き換えて実行してください。

# gzip -d < awpst"xyz".tgz | tar xf -

3章6.6 インストールスクリプトの実行

P5ソフトウェア本体の実際のインストールを開始します。P5ホームディレクトリからインストールスクリプトを実行します。

# ./install.sh

一連のメニューポイントすべてを実行した後、ポイント99でインストールを終了します。

3章6.7 64ビット版Linuxへのインストールに関する注意事項

※ P5 バージョン5.2より、64ビットネイティブアプリケーション版および32ビットネイティブアプリケーションとして提供されています。但し、最適なパフォーマンスのためには、可能な限り64ビット環境で64ビットバージョンの使用をおすすめします。

これに伴って、本項で解説する諸注意は32ビット版をインストールする際の制約事項となりますのでご注意ください。
既存の32ビット環境下で32ビット版を動作させる場合のための注意事項となります。

バージョン5.1以前のP5は32ビットランタイムライブラリを必要とする32ビットアプリケーションです。64ビット版のLinuxディストリビューションの多くは、これら32ビットランタイムライブラリ群は初期状態でインストールされていません。インストール手順は各ディストリビューションによって異なります。次のセクションでは、数種類の代表的なLinuxディストリビューションへの32ビットライブラリのインストール手順を紹介します。

SUSE Linux および OpenSUSE

SUSE Linuxはインストール・システム管理ツールYaST(ヤスト / Yet another Setup Tool)を標準装備しています。YaSTでlibacl-32bit および pam-32bit をパッケージインストールします。これら2つのパッケージのインストールで他の必要なライブラリが自動的に導入されます。

Ubuntu

Ubuntuでは、下記のコマンドをApt(Advanced Packaging Tool)でターミナルウィンドウから実行することでインストールできます。

# apt-get install ia32-libs
# apt-get install lsb-core

RedHat Linux, CentOS および Fedora

RedHat, CentOS および Fedoraでは、yum(Yellowdog Updater, Modified)インストーラをターミナルから実行して下記のパッケージを導入します。
# yum install bzip2-libs.i686
# yum install elfutils-libelf.i686
# yum install glibc.i686
# yum install nss-softokn-freebl.i686
# yum install xz-libs.i686
# yum install zlib.i686
# yum install elfutils-libs.i686
# yum install libgcc.i686
# yum install libattr.i686
# yum install libacl.i686
# yum install audit-libs.i686
# yum install cracklib.i686
# yum install db4.i686
# yum install libselinux.i686
# yum install pam.i686

Debian /GNU Linux

Debianでは、下記のAdvanced Packaging Tool (apt)コマンドをターミナルウィンドウで実行します。
# apt-get install ia32-libs

Debian Linuxでは32ビットアプリケーションの使用には、さらに認証モジュール(PAM)の編集が必要になります。下記の手順で導入します。

  1. http://ftp.us.debian.org/debian/pool/main/p/pam for the latest libpam-
    modules*i368.deb パッケージを確認します。
  2. 同パッケージをダウンロードし、任意のディレクトリに一時的に展開します。
    # wget http://ftp.us.debian.org/debian/pool/main/p/pam/libpam-modules_1.1.3-7.1_i386.deb
    # mkdir pam
    # dpkg -X libpam-modules_1.1.3-7.1_i386.deb pam
  3. 必要なライブラリを 「lib32」フォルダに移動します。
    # mv pam/lib/i386-linux-gnu/security/* /lib32/security/.
    # rm -r pam
  4. インストールされたP5のPAM構成を編集する必要があります。「 /etc/pam.d/nsd」ファイルを編集して、下記の行を書き換えます。
    auth required pam_unix.so
    account required pam_unix.so
    上記の行を下記に書き換えます。
    auth required /lib32/security/pam_unix.so
    account required /lib32/security/pam_unix.so

P5にログインできることを確認できれば、以上で完了です。

3章6.8 インストール完了後のチェック

インストールが完了しましたら、P5 アプリケーションサーバーを開始してテストします。
インストールメニューからサーバーが開始されていない場合は、「start-server」コマンドでサーバーを起動します。

P5ホームディレクトリにある 'ping-server'  は、アプリケーションサーバーに接続して、クライアントセッションの開始に必要な接続情報を返すプログラムです。詳細は4章1「ウェブブラウザの起動」を参照ください。

# ./ping-server server

server pid: 442 (サーバーが動作している場合)
次のURLに接続します: http://localhost:8000/login (ウェブブラウザで接続します)