ToolsOnAir「just:play」(ジャストプレイ)送出アプリケーションで番組定時自動送出システム(APC・APS)を構築する場合の構成例です。編成管理の操作の規模や冗長性への要求や予算に応じて変化するシステム構成の代表例を挙げました。

■ 最小構成


シンプルなグラフィックオーバーレイのみに対応した最小構成例です。
同一システム上に「just:play」、 「just:connect」、「just:out」の3つを動作させています。

■ 一般的な構成

setup2番組の編成とスケジュールの操作端末と、信号の送出系を分離させたシステム構成です。この例では、「just:play」のユーザーインターフェイス画面でスケジュールを組む作業はiMacで行い、送出用のシステムには「just:connect」、「just:out」を動作させ、それぞれをipネットワークで接続しています。

■ 冗長化された構成



冗長性をもたせるために、2セットのMac miniを現用系、予備系の送出機とし、それぞれに「just:connect」、「just:out」をインストールしています。現用、予備ともに常時「just:connect」が動作しますが、通常は「 just:out」はマスター(現用)のみで動作し、予備機ではスタンバイさせます。マスター側で問題が発生した場合に予備機が送出を引き継ぐことができます。「just:play」での編成管理は複数の端末から操作可能です。この構成は多チャンネルでの運用が必要な場合にも応用が可能です。

■ 最大構成例

setup4
同一ネットワーク上に複数の「just:out」エンジンを配置した、より複雑なシステム構成例です。「just:connect」専用機をハブとしています。

■ 「just:play」を専用端末で動作させるメリット

最小構成例のように「just:play」、 「just:connect」、「just:out」を同一システムで運用することは可能ですが、これらを別端末で運用することにより、特にGPUおよびCPUへの負荷を分散・低減できる利点があります。また、送出系に関わる重要なエンジンに対する人為ミスによる影響を分離できます。また、複数の端末でUIを動作させることでフェイルセーフ化の効果も高まります。「just:connect」はエフェクトおよびビデオの各レイヤに対して相互にスレーブエンジンを設定することができ、送出機の物理的な故障に対する予備機による運用続行性を持たせています。

複数の「just:play」から同一のチャンネルを同時にコントロールすることはできますが、操作が反映されるのは、先着順を基本とした動作になります。「just:play」UIをエンジンから分離させることで、「just:play」端末の電源オン・オフを送出に影響をおよぼすことなく行えます。

(注意) 複数のチャンネルを単一の「just:connect」インスタンスから管理は可能ですが、すべてのチャンネルが同一の「just:connect」から管理されている場合には同一のタイムベース(フレームレートおよびインターレース方式)で動作させなければなりません。